2008年4月24日木曜日

ターフの下には銭が埋まってる

プロ野球で「グラウンドには銭が埋まっている」という名言を吐いた人は誰だったか、そのへんはデカのプロパティだ。

タイガーの獲得賞金等に関する記事が出ていて、思わず「すんごいねしかし」と唸ってしまった。
昨年のタイガー、ツアー獲得賞金は2290万ドル強。
さらにスポンサーから得た収入は9980万ドル。

併せて1億2270万ドルちょっとで、日本円に換算すると122億7000万円あまり。 

昨年のスポーツ選手収入ランキングで、2位のオスカー・デ・ラ・ホーヤが4300万ドルあまりで2位、3位もゴルフプレイヤーのミケルソン、4200万ドルあまり。

4位、5位はキミ・ライコネンとシューマッハのF1コンビ、6位がコービー(NBA)とベッカム、8位がシャックで9位がしつこくジョーダン(笑)とロナウジーニョ。Aロッドは12位で2900万ドル、ジーターが14位で2600万ドル。

どんだけゴルフが稼げるかよくわかる。

MLBの平均年俸は269万ドル(2億6900万円)くらいみたいで、レッドソックスが昨年のワールドシリーズで優勝して得たボーナスは一人30万ドルだったらしい。30万ドルといえば、フューリックが昨年のFedexCupランキング11位に入ってもらったボーナスとほぼ同額。

タイガーの1億ドル越えはレベルが違う。ちなみににっこりテリーさんが聞いたら詳しいだろうが、ジェリー・ブラックハイマーの昨年の稼ぎとタイガーはほぼ同額。ジョニー・デップでも1億ドルは稼げなかった(9200万ドル)。十分異常だが。

タイガーがプロ転向後12年間で稼いだ額は、公になっているものだけで770億円を超える。しかもいまのペースだと、ゲータレードみたいに新規スポンサーはてんこ盛りで、再来年には1000億円を超すことが確実視されているんだそうだ(ちなみに公になっていない収入は倍以上との噂もある)。
その意味で、モチベーションが一向に下がらないタイガーは偉大だと言われている。みんなプロになって成功を収めると1回や2回は大スランプに陥って、家庭も荒れてオーマイガみたいなことになるが、タイガーはスランプとは無縁(1年間だけ、1勝しかできなかった年がある。その年タイガーはコーチのブッチ・ハーモンの元から離れてスイング大改造に着手した年だった)。今年も順調に成績を伸ばし続けている。

ちなみに昨年30億円弱を稼いだアーニー・エルスは、ワインのシャトーを複数所有、それがまた非常に好成績を残しているらしくビジネスの才能も見せつけている(最近レッドベターからブッチにコーチ替えを行った。エルスの今後に要注目である)。

スポーツ選手で副業のビジネスに失敗して悲惨な余生を送る人はあとをたたない。
他方で、イケてる副業で思わぬ成功を収める人がいないではない。

元木との喫煙シーンが懐かしい、條辺はうどん屋さんをはじめた。

ただ、、タイガーくらい稼いでしまうともはや失敗もなにもあったもんではない。定期預金に入れておくだけで普通考えられる年収は軽く超えてくるわけで、100億円くらい借金背負っても現金で返せるんだからその威力たるや、、推して知るべしである。

検事たちの世界には全く無縁であるが、プロスポーツ選手というインパクトの大きさを再認識した次第であった。

みなさまGWをエンジョイあれ。

2008年4月21日月曜日

佐伯三貴

いよいよハニカミ参加の男子ツアーも始まり、慶球会レギュラーシーズンも到来。
今年もゴルフの季節がピークを迎えつつある。

そんな今回は、国内女子ツアーで検事が今最も好きなプレイヤーについてレポートしよう。

そう、それは佐伯三貴。
カリスマ・アマゴルファーである佐伯行生氏を父にもつ佐伯は、密かに「さえき」ではなくて「さいき」。
11歳からゴルフを始め、全国高等学校ゴルフ選手権春季大会2連覇などのいかつい成績を収める。ちなみに通っていたのは武田高校という広島の進学校で、ハニカミ在学の杉並学院高校みたいにゴルフを最優先にできる高校とは違う。

大学は超名門のご存じ東北福祉大学。一昨年にはアマチュアとして日本女子学生ゴルフ選手権や関東女子大学対抗、全国女子大学ゴルフ対抗戦などタイトル総ナメ。いよいよプロ宣言して望んだ昨年は大学在学中にもかかわらずツアーのフジサンケイレディスに優勝、今年の女子W杯日本代表として諸見里選手をひっぱったそのメンタリティにヤラれた方も多いだろう。
ちなみに真ん中は今年の期待の新人プロ、池田勇太。

なんしか、佐伯、そのメンタルが最高である。
切り替えは誰よりも速く、へこまず、徹底的に前向きでナイスショットしか覚えていない。

そんな理想的なメンタルをもっている佐伯、非常に技術も高く朗らかな性格と相まってこれからもファンを増やしていくだろう。

ちなみにツアーでのあだ名は「マダム」らしい。
この貫禄。近い将来の賞金女王は間違いない。
これは検事の勝手な推測だが、今後日本女子ツアーをひっぱるのは佐伯と原えりなの二人になるはずだ。そして佐伯三貴は、いつしかアメリカツアーで大活躍するのではないか。

それは、メンタル、飛距離、小技、体力とアメリカツアーで必要なものをすべて持っている気がするからだ。

試合後インタビュアーに「3連続ボギーは痛かったですか?」と聞かれて「そんなことありましたっけガッハッハ」と笑い飛ばす佐伯のおもしろさから検事は目が離せない。

ここぞというときにベストショットを放つ、往年のジャンボ尾崎を思わせる空気が、ある。

2008年4月15日火曜日

トレバー・イメルマン

トレバー・イメルマンの勝利に終わった今年のマスターズ。
まず、1位イメルマンから3位シンクまでがナイキの契約選手であった。

年間PGA勝利数なんかはここ最近ナイキがぶっちぎっているが、それはひとえにタイガーに拠るところが多い。そりゃそうである、毎年7,8勝するんだから。

とはいえ、昨年のフェデックスカップでも大爆発したK.J.Choi(崔京周)などナイキの総合契約選手に名手は多い。

日本でナイキの総合契約を結んでいるのはたったの二人、片山晋呉と深堀圭一郎。ご存じゴルゴと、進藤晶子の旦那である。

片山が実力日本一(E連も抜けた存在と言っている)で、深掘は女性人気と知性日本一。ナイキのマーケティングはいつもながら美しい。

そもそもナイキサイドとしてはタイガーがいる時点であんまり他にスポンサードする必要性を感じていないらしい。そんななか日本人2人はとてもいい仕事をしていると言えるだろう。

今回のマスターズチャンピオン、イメルマンもナイキの総合契約選手であり、ナイキはゴルフメーカーとしての地位を確固たるものにしてきたと言える(参入はタイガーのプロ化以降だから、その進化には目を見張るものがある)。
【イメルマンのギア】
Driver: Sumo 5000
Fairway Wood: SQ2 #4 wood
Hybrid: 21deg Sumo Hybrid
Iron: CCI Cast Iron
Wedge: SV 50, 54, 60deg
Golf Ball: 2008 Nike One Platinum

そのイメルマン、今回のスタッツを確認しておこう。

Driving Accuracy: #1
Driving Distance: #4
Greens in Regulation: #2

・・・この安定感は素晴らしい。今回、彼はベストプレーを展開したと言えるだろう。

各報道で目にした人も多いと思うが、同じ南アのスーパースター、ゲーリー・プレイヤーから最終日前日にイメルマンの留守電に「自分を信じれば絶対に勝てる。あとちょっと、パッティングのあと頭を動かさないように間をとりなさい」とメッセージ。彼は偉大な先輩のこのメッセージに感動し、最終日心の中で繰り返していたという。余談だが千葉は茂原の真名カントリーにゲーリー・プレイヤーのゴルフアカデミーがある。

もとい、結果、イメルマンは素晴らしいプレーを見せ、南アフリカに久しぶりの栄冠をもたらした(エルス、グーセンがUSオープンなど勝ってはいるが)。

さて。

タイガーは今回残念な結果に終わったが、とはいえ2位。さすがの一言である。年間グランドスラムの期待はまた来年以降に続くことになる。

今回、初日・二日目と比べて三日目・最終日の風の強さはものすごいものがあった(みたいである)。ただ、タイガーはやはり変わらず素晴らしいアイアンを披露していたものの、パッティングが惜しいところで入らなすぎた。ま、また調整してくるだろう。もう2月もなく次のメジャーがくる。

ゴルフの季節。皆様とお手合わせする機会を楽しみにしている。

2008年4月11日金曜日

Masters Golf Tournament '08 (2)

マスターズ二日目まで終了。

ハニカミの尊敬するイアン・ポールターが初日16番Par3でエース!170ydを8番アイアンでぶち込んだ。激シブなのはこのホールインワン(スコア上はイーグル)のみの2アンダーという初日スコア。二日目も順調にスコアを伸ばし初のビッグタイトルに向けて首位と3打差の3位タイにつけている。

ちなみに横の子は実の娘である。

そんな初日トップはトレバー・イメルマンとジャスティン・ローズ。欧州ツアー賞金王のローズは去年も2日目終了時までトップだっただけに、今年こそ頑張りたいところだったが、2日目78の大叩きで29位タイに転落(2オーバー)。ちなみにローズ、松坂世代である。
初日に続いてトップを守ったのはトレバー・イメルマン(-8)。1打差の二位にスネデカー、3位タイにはポールターの他フィル・ミックがいる。しかし、、、ミケルソン激ヤセである。どうやったのか知りたい。

ちなみに検事大好きポール・ケイシー(ナイキ契約選手で、いま最もパワフルでイケイケゴルフを展開するスーパーマンの一人)も4アンダーで6位タイ。2アンダーの11位タイにいるレティーフ・グーセン、1アンダーのタイガー辺りまでは優勝圏内と言えるだろう。

なんしか、3日目、ジョージア州オーガスタは雨の予報である。「ムービング・サタデー」と呼ばれ順位が大きく変動する三日目、更に目が離せない。

初日出遅れた日本勢は、二日目も頑張ったが残念ながら二人とも予選落ち。来年の今田に期待しよう。

さて、マスターズが好まれる理由として挙げられるのは、マスターズはとにかく「フロック」が勝ちにくいという事実。

実際、ブックメーカー(賭け屋)が倍率をつけてもだいたいタイガー・ミケルソン・エルスのビッグ3は1倍台、世界ランクトップ10の選手の倍率は多くても5倍がいいところ。あとはみんな万馬券である。

結局、今までマスターズはほぼ全大会で「本命または対抗」くらいのプレイヤーが勝っている。逆に言えばそれだけ能力差がフェアに出るセッティング、ということだ。

唯一と言って良い例外は昨年の覇者ザック・ジョンソンで、ザックはそれまで正直1流半みたいなポジションにいた。
が、昨年グリーン・ジャケットを手にして以来、ザックはシェル・ヒューストンオープンでさくっと勝利を挙げ、一流プレイヤーの仲間入りをしてしまった。アメリカでは出演CMも流れているようである。

そんなフェアなセッティングの妙としてよく言われるのが、マスターズにはもともとラフが無かったということ。

近年の飛距離増対策でさすがにラフ無しとまではいかなくなったが、それでもラフのカットは1段階のみで(PGAチャンピオンシップ、別名全米プロという試合なんてサードカットと呼ばれる3段階目までラフが分けられ、サードカットでは各選手二打目でもサンドウェッジをもってフェアウェイに出すだけになる)、その長さも4センチほど。15センチを超える他メジャーのセッティングとは明らかに質が異なる。コース距離がここ5年くらいで400ydくらい増加される改造がされたが、それでも結局今のトッププロたちからすれば対応可能だ(ただ、美しい景観が若干損なわれた。これは勿体ない)。

なぜこれでもマスターズだけは絶妙のスコアで試合になるかというと(毎日1アンダーでも計4アンダーで十分争えるスコアになる)、グリーンがカチンコチンで、でっこぼこだからだ。

少しでもラフにあるボールはインパクトの時にフェースとボールの間に芝が噛む。

そうするといわゆる「フライヤー」という現象が起き、ボールのスピン量が激減するためボールが地面に落下後止まらない。グリーンにキャリー(1バウンド目)するとそのままグリーンから転げ落ちる(スピン量を計算できなくなるフライヤーをプロは基本的に嫌うが、昨年のUBS日本オープン最終日の18番片山晋呉のセカンドみたいにわざと使うこともないではない)。

更にオーガスタのグリーンはフェアウェイと同じくらいうねっているから、落ちどころによっては意味不明の方向にバウンドしていってしまう(オーガスタではプレイヤーがカップに背を向けてパッティングするような場面も見られる。それほど起伏に富んだグリーンなのだ)。

このように、グリーンを中心にすべての戦略が組み立てられているのがオーガスタなのである。

明日から、いよいよ決勝ラウンドである。

Masters Golf Tournament '08 (1)

ゴルフの祭典、マスターズ。

1934年、球聖と呼ばれるボビー・ジョーンズ(ちなみに弁護士)が友人と「オーガスタ・ナショナル招待選手権大会」という試合を始めた。この試合、5年後に「Masters GOLF Tournament」という名前に変更され、世界一のゴルファーを決める試合としてすべてのゴルファーのあこがれとなる。そのマスターズは例年、4月第1週の週末に開催される。

マスターズは招待資格を満たした「ゴルフの達人」すなわち「マスター」しか出場できない。他のメジャー大会は理論上は検事が予選から勝ち上がれば出場することができるのとは、ここが大きく違う(論者によってはマスターズは招待試合だからメジャーに相応しくないという人までいる)。

招待資格の第1位は、歴代マスターズ優勝者。

ちなみに特徴的なのは、優勝賞金が決まっていないこと。優勝賞金は定められておらず、3日目までの入場収入を基準としてよく分からない方法で決定される。

優勝者には賞金に加え有名な「グリーン・ジャケット」が贈られ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの名誉会員となる。ちなみに師匠から聞いたところによると、日本人でオーガスタのメンバーになった人も超少数だが存在するとのこと。かっこいい。検事もメンバーになりたい。
さて、他のゴルフメジャー大会は毎回開催コースが変わる。対してマスターズは毎年同じオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催される。

このコースは、フェアウェイのみならずグリーンまでうねっており、90年のマスターズでジャンボが1.5メートルのパットを外したら10メートル以上オーバーしたくらいに超高速グリーン。


全英オープンの開催コースが「自然との闘い」というゴルフの原点を示すのに対し、「人間が作れる最高の人造美」に迫っているのがオーガスタ。マスターズの週には池の水に特殊な溶剤が入れられ、読んで字のごとく「鏡」に仕上げられ、マグノリアが咲き乱れる様とアトランタの青い空が池に美しい映り込みをみせるのだ。


1時間ほど遅れて初日がティーオフしたようだ。次回、更にマスターズの魅力に迫る。

2008年4月10日木曜日

世界一のキャディ(2)

ついに始まったマスターズ・ウィーク。

「マスターズに呼ばれないプロゴルファーは世界中から忘れられた一週間を過ごすことになる」
こんな言葉があるほど、プロゴルファーにとっては一年で最も出場したい試合である。詳細は後日。

さて、ここ数年のタイガー、マスターズ・ウィークは月曜日から早速の「早朝ラウンド」を行うのが恒例になっている。だれよりも早く、オーガスタ・ナショナルGCが認めてくれる一番早い時間から、仲良しのマーク・オメーラと、又は一人でじっくりとプレーし、日曜日の18番Hに照準を合わせる。

余談だがタイガーは毎年16番の池で半分おふざけ半分本気で水切りショットの練習をする。これがまた実に巧い。もちろん、そこにはご存じスティーブ・ウィリアムスの姿もある。
では宿題通り、スティーブのすごさについて語ろう。

スティーブ、実はこんな本を書いている。
「ゾーン」
彼は、グレッグ・ノーマンなどスーパースターのエースキャディを務めていたとき、あることに気がついたのだ。

それは、ある意味当たり前のことだった。

ゴルフのルールではキャディがプレイヤーとともに18Hの間一緒にいることができ、そのプレー等についてサポートする。つまり、今まさに試合をしているプレイヤーのそばで戦略等をアドバイスすることができる。それが、従前のキャディの仕事だった。誤解を恐れずに言えば、それだけだった、と言っても良い。

これに対して、スティーブは「プレイヤーのメンタル面のケアこそがキャディ最大の仕事」と言って憚らない。彼の功績は、キャディがメンタル管理をするということを「スキル化」したことにあるのだ。

彼はある日、グレッグ・ノーマンが試合中にもかかわらず弱音を吐いている時は本当に良くないプレーをし、集中しきった状態(いわゆる「ゾーン」に入った状態)で強気の発言をするノーマンはミスをミスにしないほどのプレーができることに気がついた。
そこで彼は試しに、メンタルタフネスの分厚い専門書に目を通して、こともあろうかノーマンで色々と実験してみることにしたのである。

その結果スティーブは、ゴルフはメンタルがあまりに重要な役割を果たしていることに気がつく(無論現在では当たり前のことなのだが)。

ノーマンに「僕はこのドライバーショットを失敗する!」と口に出させて打たせたティショットは、「僕はこのドライバーショットに成功する!」と口に出させて打たせたティショットよりも
・飛距離が出ず、
・曲がり、フェアウェイキープ率ががくんと下がる、
ということがわかったのだ。これは本当の実話らしい。

これを要するに、スティーブは、「ゴルフ最大の敵は自分自身の心理であって、次が自然(コース)だ。ならばまずゴルファーは自分の心理をマネージメントする術を学ぶべきだ」という。
ポジティブな思考、ストレスがたまったときのなるべく早いその発散と切り替え。
この心理的なサポートがスティーブにとってのキャディの仕事として最も重要なことであり、メンタルタフネスのスキルを惜しみなく、18H、タイガーに注いでいる。

だいたい、技術的な側面ではタイガーに云々言う資格なんぞだれにもないのだ。スイング・コーチのハンク・スウィニーですら、「私の仕事はタイガーがよりよい状態から外れてきたときに、どこが変わったのかを見つけ出し修正することだ」という。

世界一ライン読みが巧いタイガーがグリーン上でラインを読んでいるとき、スティーブは練習ラウンドでメモした距離や傾斜を伝えることはする。

だがラインについて積極的にアドバイスすることはない。

タイガーが「このくらいだろう?」と言っているとき、それは同意を求める独り言であることをスティーブは知っている。

そのときに優秀なキャディのする返事は一つだ。

「それでいい。俺の読みと全く同じだ。だからもし外れたら俺のせいだ、思い切って打ってしまえ」。

ミスショットが出たらスティーブはミスの要因が外的なものにあることを適切に告げる。そして時にはタイガーよりもミスをした「キャディ」を強く責め、タイガーの怒りを打ち消す。

「なんておれはバカなんだ、こんなクラブを持たせて!」と。

果敢なショットと無謀なショットの狭間で選択に迷ったとき、スティーブはタイガーがどちらを選べば
「残りを気持ちよくプレーできるか」
を考えるのであって、
「どちらが成功しやすいか」
を考えない。
これらは勿論、十分にテクニカルな裏打ちがあるからこそ、できる芸当ではある。

ただ、我々みたいなヘボゴルファーでも、一度でいいから、メンタルを本気でマネージしてくれるキャディについてもらいたいと思わないだろうか?

我々なんて、時にはおばちゃんキャディに「あ~ぁ~」とか言われてカチンときている始末。
ボールもクラブも探してくれないおばちゃんに出会ったとき、キャディフィ返せと思ったことがあるゴルファーは多いだろう。

スティーブは言う。
「アマチュアにこそ、ベストスコアを出させる自信があるね」

プレイヤーの実力を120%発揮できる環境を作ること、これが、世界一のキャディーの仕事だということができるだろう。

いよいよマスターズが始まるが、スティーブの行動にも興味をもって観戦してもらえば、よりそのおもしろさはアップこと請け合いである。

2008年4月3日木曜日

世界一のキャディ(1)

ゴルフというスポーツの少し特殊なところは、キャディという存在にある。


キャディはプレイヤーのバッグを担ぎ、コース戦略を共に考え、そして勝利に貢献する(ちなみに、元々ゴルフクラブの本数には制限がなかった。だが、昔のキャディ組合が本数が多いとバッグが重すぎるとクレームしてから14本という本数に決まった。14本という数字に何か合理的な意味があるわけではないのだ)。

キャディの重要性は色々あり、一言で言えるほど少ない仕事をしているわけではない。そんなキャディの中で世界一の名声を欲しいがままにしているのが、ご存じ、

スティーブ・ウィリアムス
だ(プロレスラーではない)。

スティーブは長らくグレッグ・ノーマンやレイモンド・フロイドなど超一流ゴルファーの専属キャディを務めていた。試合前のヤーデージ確認(コースの距離確認)の正確さ、依頼主のクセにあった戦略などスティーブが優れている点は数多くある。

そんな彼のトレードマークは「ハーパン」。基本的に真冬のラウンドでもがんばれる限りはハーパンだ。
余談だが、そんなスティーブもハーパンをはけない試合がある。

それが、マスターズ(4/11〜TBS系列)だ。

みんなこんなかっこをしている。マスターズだけはキャディのユニフォームが決められているのだが、いかにも、、、というかアメリカ的ヒエラルキーを感じるイヤな部分でもある。

が、本人達は意外と楽しんでいる様子。昨年谷原秀人は初出場で、公式練ランの際に実の姉がキャディをしていたが微妙に似合っていた。

そんなスティーブ、現在は長いことタイガーの専属キャディを務めている。プロになってからのタイガーは、そのキャリアのほとんどをスティーブとともに歩んでいるといっても過言ではない。


ちなみに、タイガーがデビューした直後はマイク・フラフ・コーワンという白いヒゲのサンタクロースみたいなオッサンがキャディをしていた。ちなみにコーワンは現在ジム・フューリクのキャディを務めている。

スティーブとフラフは、ある意味真逆のキャディ。フラフが常に冷静沈着、落ち着いているのに対してスティーブは時々タイガーより大きいリアクションをとるほどアツアツのキャディだ。

昨年のPGA ChampionshipだったかUS OPENだったかで、タイガーの9番アイアンを拭いている途中で川に落っことしてタイガーに逆ギレという荒技をやってのけた。

さて、プロのキャディさんは自分の雇い主の稼いだ賞金から取り分をいただく。だから彼らは雇い主の活躍がそのまま死活問題だ。PGAやLPGAなんかだと、ついでに優勝キャディは18番ホールのピンについているフラッグをもらって帰るという伝統がある。

タイガーはだいたい毎年賞金で10億円以上稼ぐ。そうするとスティーブの取り分は日本の賞金王より多いことになる。

では、なぜ、スティーブは世界一のタイガーやグレッグ・ノーマンに絶対的な支持を受けるのか。
そこには、ある理由があるのだ。ヤーデージやライン読み、コースマネジメントだけではここまでの支持は得られない。そこには決定的にスティーブが他のキャディと違う点がある。

次回、その点について熱く語る予定である。
(つづく)

2008年4月1日火曜日

忙し検事

最近、パート先がまた変更になりネット環境がなくなってしまった。。
なのでしばらく更新ができず。。。おさぼりムードとなっている。

(サボリーマンの図)

さて、そうこうしている間に色々あった。我らが母校は初戦で21世紀枠に敗退、オキドキが勝利投手になったりドメが爆発したり巨人が3連敗したり、、
そんななか我らが今田竜二くんは残念ながら今年のマスターズ出場を逃した。
先週末世界ランクで67位かなんかで、50位以内に入れなかった。ジョン・デイリーのうっかりミスから試合を失格になったりバタバタしていたら、ことしは残念なことになってしまった。
ちなみにこれがデーリーが嫁さんと死闘を演じた次の日の顔。傷だらけである。

もとい、マスターズ、結局今年の出場者は谷口と片山の二人である。
妙にマスターズで良いプレイをするゴルゴ片山の活躍に期待しよう。


さて、検事がかねてからの円高に乗じて発注をかけているスーパーパターがある。
以前もお伝えしたかもしれないが、テーラーメイドの「ロッサ・モンザ・スパイダー」。
ショーン・オヘアを始めとして、ほとんどのテーラー契約選手がパターをこれに切り替えた。今、PGAプロの間では空前のブームが起こっている。ちょうど2ボールパターが世間を席巻したときのような空気が、このパターにはある。
超高MOIでミスヒッティングにも強く、ストレートなストロークが極めてスムース。また座りもよく構えたときの違和感がない(らしい)。フェースはご存じAGSIテクノロジー搭載で最初の人転がりからボールに順回転がかかる。これによって最後の一伸びが足りずショートしていた人もカップイン、というわけだ。

契約外でパターを使っているプロといえば、そのメーカーはキャメロンかオデッセイに限られていた。今回のスパイダーからは第3極が出現の可能性がある(今後、スラントネックなどネック形状にバリエーションが増えると非常に好ましいと個人的には思っている)。

パッティングのテイクバックの際、検事のようにびびってヘッドが波打つ人や、ショートパットがなんしか苦手という皆さんには極めて効果が高いと思われるこのパター、日本では4月末までには発売になるようである。

春の新ギアとして皆さんのキャディバッグに加えて欲しい逸品である。



+よだん+

最近のiPodTouchは、2月からアプリケーションが進化したためいろいろなことができるようになっている。先日デカに会ったらデカがこの機能を絶賛していたので一応記録しておこう。

最近のTouch、歌詞が表示されるようになった。歌詞はネット経由で集めることができ、WinでもMacでも関係なくこの機能は活用できる。カラオケの練習に?電車の中でかっこつけるため?オッティな機能と言えるだろう。