2007年11月13日火曜日

シャフト 〜その2・シャフトの構造〜

デカから依頼を受けたレガシーの件。
キャロウェイの日本市場向け新ラインナップで、イメージ的にはHYPER E.R.Cに近い。ちなみにE.R.Cというのは「イリー・リーブス・キャロウェイ」という同社の創業者の頭文字である。キャロウェイは世界最大のゴルフメーカー(売上ベース)で、NY証券取引所に最初に上場したゴルフメーカーでもある。

しかし、ハイクラスラインナップなので、高え。デカは契約選手ゆえ、買わずにいられないだろうが。。。国産メーカーでもないのに10万超えのドライバーは買う気がしない。

ちなみにディテールは明らかにされていないが、ショートホーゼルやフェース形状からして極めてオーソドックスなキャロウェイのドライバーと思っておけば間違いない。AXIVのシャフトを純正で選択できるということに渋みを感じるのは検事だけではないであろう。

さて、表題について検討しよう。

ゴルフのカーボンシャフトは、カーボン繊維とプラスチックの複合材料によって形成されている。

実際の工程は、カーボンのシートを重ね合わせてくるくる巻いてできるイメージである。大きく分けてその構造は3つの部分からなる。

1 内部層
  …ねじれに対する剛性を確保するために斜めにおいたシートを交互に最低4回分重ねる
2 外部層
  …シャフト方向に縦に置いたシートを最低3回分重ねる
3 先端補強層
  …インパクトの衝撃に耐えられるように三角形にカットしたシートを重ね貼る

更に、それぞれ重ねるシートについて各メーカーの知恵と特許が錯綜し、「4軸」とか「5軸」とかわけのわからんシャフトができあがる。
(これはミズノの4軸シャフトの構造)
ちなみに、
賢明な読者諸氏はお気づきだろうが、シートを芯にくるくる巻き付けると、当然「厚い部分」と「薄い部分」ができてしまう。現在の技術レベルは素晴らしいものがあり、ほぼ均一な厚さにはなっているがそれでも多少の誤差が出る。

そして、そのシャフト(それぞれの商品単体ベースで当然違う)の一番厚い部分を「シャフト・スパイン」すなわち「シャフトの背骨」という。

まあこれは極めてマニアックな話なのでまたそのうち説明する。

さて、世界中で、この「カーボンシート成型」と「シャフト成型」を同一社内で(つまり100%自前で)作れるのは三菱レーヨンだけ。他の会社は、カーボンシートは購入していることになる。それを組み合わせるのに知恵があるというわけだ。さすがに信頼性が高いと見えて、タイガーも現在は白マナのプロトタイプ(試作品のこと、ゴルフギア業界ではツアープロ専用に仕立て上げられた特注品の意も含む)を使っている。

シャフトは「重さ」「固さ」「トルク(ねじれっぷり)」「調子」という要素がある。

まず、飛距離という観点から見れば振り切れる範囲内で一番重いシャフトを使うべきである。これ木のトンカチと鉄のトンカチ、鉄のトンカチのほうが打ったら飛ぶというイメージでよい。

少し難しいのが固さ。一般に「X」「S」「R」の順に(女子はA,L)柔らかくなるのだが、固ければ固い方がよいものではない。スイングスピードの速い人は固めを使うべきだが、「シャフトのしなり」を作り出せるスイングをしている人(タメの強い人、つまりダウンスイングでグリップエンドがぎりぎりまで地面を指しているタイプの人)以外はスイングスピードが速くてもある程度柔らかいシャフトを使った方が飛ぶ。

つまり、一概に「これ」ということはできない。固さは人によって相性がある。また、同じSでも物理的な固さはメーカーやラインによって全く異なる。なかなか難しいのだ。

トルクに関しては簡単。大きければ大きいほど「つかまり」が良い。つまり、打ったときにフェースできちんと球を捉えている感触が大きい。スライスしやすい人やミート率の悪いアマチュアはトルクが大きい方がゴルフが簡単になる。
そんでもって「調子」。英語だとキックポイントという。

これは正直相性によるのだが、先調子のシャフトはヘッドがビュンビュン走る。そして手元調子のシャフトはタメを作れる人だと切り返しのタイミングが合いやすい。ただ、これらのキックポイントの差は所詮10ミリくらいの差であることを確認しておこう。
ちなみに、白マナ=手元、ランバックスX=中、クアトロテック=先、にそれぞれ調子がある。

これは「相性」の問題であって「技術レベル」の問題ではない。

ただ、一般的に上級者やプロは手元調子を好む傾向がある。
それだけに、超先調子の「GRAPHITE DESIGN社」の「 Tour-AD QUATRO-TECH」がここまでツアーで人気を得るとは衝撃であった。

それほど、このシャフトは使いこなせれば飛距離が出る。
検事も何度も試打しているが、タイミングがどんぴしゃの時は正直練習場のボールでも初速が違うのが分かる。更に球がものすごく上がりやすいため、ロフトが立っているクラブでもキャリーが望め、ランは当然伸びるのでビッグドライブになるわけである。

これだけ細かい技術が詰まっているのだ、4万円前後の高値も「ふーむ」と思ってしまうものである。

そのうちに続く。

1 件のコメント:

デカ さんのコメント...

レガシーについてのリポートありがとう御座いました。なるほどハイグレードモデルなのですね。しかし契約しているにも関わらず一向に僕の手元にギアは支給されません。しばらくはFt5とAxivのコンビで精進します。

ところで検事の私生活は先調子ですか?僕は元調子です。